元kitsonのスタイリストが手がけるモダナイズワークの世界: BILLY Los Angeles

“ビンテージTシャツとMaison Martin Margiela”

もしあなたがファッションフォワードなら既にこの名前を聞いた事があるだろう。Fear of GodやENFANTS RICHES DÉPRIMÉS、Made Wornなど、若手デザイナーがビンテージやパンクカルチャーをテーマにしたコレクションを次々に展開し、”ビンテージルック”が世に浸透してゆく中、立ち上げから僅か一年足らずでG-Eazyのツアーワードローブ、Justin Bieberの休日の常連であり、Ty Dolla Sign 、The Chain Smokersなど名前を挙げればきりがないほど急速にそのファンを獲得し急成長している新鋭ブランド。

LAのスタイリストHolly Jovenallが手がけるBILLY Los Angelesである。

“父のお下がりのTシャツがとてもクールに感じたんだ。”

Pennsylvania州で牧場と建設業を営む家庭に生まれたHollyは、幼少のころから履き込まれたDickiesと色褪せたCarhartt、そして穴の空いたTシャツが身近に有った。

Holly: 父の仕事場に行くのが好きだったし、古着やお下がりのTシャツを着る事は生活の一部だったね。12才の頃にはいつか自分でビジネスを持ちたいと思って居たし、人生をそのキャリアに捧げる事になると感じていたんだ。泥だらけになって働くスタッフの中で育ったし、メンズライクだけど少しフェミニンでセクシーな感じを表現したかった。

“当時はファッションを仕事にするとは思ってなかったよ。”

Holly: 大学はWest Virginia Universityに行っていたけど、WVU出身だって言うと皆驚くよ。当時は小さい頃から続けていたダンスでのキャリアを漠然と考えていたからね。それに疑問を抱いてる頃、大学にファッション関係のコースが開講されていて”これだ!”って思ったんだ。これを仕事に出来たら最高だろうってね。

それで卒業後$2,000と身一つでLAに引っ越したんだ。最初に仕事をしたのはあのkitsonだったけど、当時はkitsonが何かも知らなかったんだ。可笑しいよね(笑)。

“キラキラした所で働くのは最終的には自分のタイプではなかったけどいい経験だったよ。”

Holly: 最初kitsonでは値札を付けたり基本的な仕事をしていたんだけど、ある時仲の良かったオーナーになにかクリエイティブな事を出来ないか相談したんだ。すると彼はショーウィンドウのスタイリングをした事が有るかと聞いてきて、その時夢中でYESって答えちゃったんだよ!(笑)。その週末にはもうディスプレイを任されていて、気がついたらクリエイティブディレクターにまで任命されちゃったんだ。

もう7年近くスタイリストをやっているけど、当時は忙しいビジネスウーマンや子育て中のお母さんのスタイリングも経験したよ。人と関わる事が好きだったしとても楽しかった。彼女達の好きなスタイルをキープしつつ、ちょっとだけトリッキーなアイテムで冒険するんだ。その頃には自分の好きなモードとビンテージアイテムをミックスするスタイリングが確立されていたと思うよ。

“ビンテージの師匠は実はとある日本人なんだ。”

Holly: 大学の頃にはビンテージの世界に魅了されていたよ。そのうちkitsonの頃のクライアントに自分で集めたビンテージコレクションを提供するようになって、少しずつこれ迄と違った形でファッションに関わるようになった。

普段はRose Bowl Flea Marketでそういうアイテムを探してるんだけど、あるときTakaって言う日本人と出会ったんだ。自分にとってはビンテージの師匠みたいな感じだよ。もう五年以上も一緒に仕事をしているけどいろいろなことを学んだよ。

正直ビンテージアイテムの話になると何時間も夢中で話し込んじゃうよ(笑)。’50sから‘70sにかけてのウォッシュマシンの話とか、ネックラインの太さとか生地の厚さとか。同じHanesのホワイトTでも全部違うし、見てるととても楽しいんだ。

“ワークウェアはインスピレーションであり、人生の歴史。”

Holly: その後そのビジネスがだんだん大きくなっていったから、当時からのクライアントとか友達のスタイリストにだけ紹介制で父の名前をとって2015年にBILLYを立ち上げたんだ。

ある時、当時Justin Bieberのスタイリングを担当していた古い友人のKarla Welchが、BILLYとして集めたアイテムを彼にぜひ着せたいって連絡をくれたんだ。それでツアーのためのジャージーとかTシャツとかを探して提供することになったんだよ。

彼女は自分がBILLYというブランドでやりたかった、ストリートのテイストとビンテージの少しセクシーな感じをミックスしてJustinをスタイリングしようとしていたんだよ。

“sSACR -017”

Holly: それで今までのアイテムをさらにモダンに昇華したものを作りたくて、2017年の SUMMER, SACRIFICE -017コレクションから、これまでやっていたビンテージソージングに加えて本格的にCut & Sewのコレクションを展開することになったんだ。

ブランドの美学はシンプルでミニマルであることに尽きるよ。クールかどうかっていうのは内面からくるものだと思っていて、みんなに着ていて気分の良いものを提供したいんだ。

“どうだ、自分はこんな服着ているんだぜ、イケてるだろ?”ってわざわざ見せびらかさなくても、例えば入ったカフェで何も言わずに輝いているのが本当にかっこいいことだと思うんだよね。

Deacon Hand Distressed Tee
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¥21,800


 

Deacon Hand Distressed Tee
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¥21,800


 


“Yohji YamamotoやRick Owensら奇才へのオマージュ。”

Holly: よく19XX – BILLYって表現を使ってるんだけど、これはインスパイアを受けているビンテージアイテムの年代と現代のモダンで新しいデザインを表していて、インスピレーションを与えてくれる過去へのリスペクトと新しくそれを再構築しているという意味なんだ。

デザイナーによってはただデザインをコピーするだけの人がいるから悲しいことだよね。

19XX Billy Hat
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¥9,800


 

Billy 955 Work Pant
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¥29,800


 


“ダメージは全部自分で手作業で入れているよ。”

Holly: 今回のコレクションのパーカーとスウェットパンツで使われている生地は日本製の特注なんだ。パーカーはオーバーサイズのフードにクロップド、サイドにリブも取ってある。スウェットパンツはダンスをやってた経験から、とにかく動きやすさを意識してカーブをデザインしているよ。

Tシャツのダメージやエイジングのサンプリングには何年もかかったよ。後染めの柔らかい発色とダメージ加工はとにかく自然な風合いに拘ってるし、ベストなものができたと思う。みんなダメージのやり方を聞くんだけどそれだけは教えられないよ(笑)。 秘密の工程なんだ。

Classic Billy Logo Tee
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¥16,800


 

Classic Billy Logo Tee
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¥16,800


 


“常にパンク、そしてクリエイティブ。”

Holly: 誰かのコピーじゃなくて、感情とか直感に従って実直にものづくりをすることはとても重要なことで、そういう姿勢が自分をクリエイティブにすると思うんだ。

もちろん他人からインスパイアを受けることもあるけど、それは実際にデザインをしっかり作り込んでいるデザイナーからであって流行りみたいな陳腐なものではないよ。

20年後に誰が生き残っているかなんて明白だよね。

Oversized Skate Sweat Pant
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¥22,800


 

Oversized Skate Sweat Pant
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¥22,800


 


 

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