BTS シリーズ: VAL. KRISTOPHERの変態的デニムカスタムのプロセスを紐解く。

デニムカスタムにルーツを置くVAL. KRISTOPHERのデニムは、ゴワゴワのノンストレッチデニムに手間だらけの装飾や再構築のデザインを特徴とする、言ってしまえば履き心地完全無視のデニム形アート作品である。
今回はそんな彼等の制作プロセスの一部を紹介したい。

彼等はまずベースとなるデニムを契約工場にオーダーする。以前はビンテージアイテムのカスタムだったが、最近のコレクションでは自社ロゴの入りのハードウェアやウォッシュの風合いのコントロールに至る迄、全てデザイナーの意図でデザインされている。

原型となるデニムの縫製、ウォッシュ加工をを経てValシェフの料理は始まる。
彼等が最初に手をつけるのはダメージ加工とデニムの解体だ。両サイドを留まっている縫い目は解かずに裁断する。モデルによっては後部の中心からもパネルをとるためさらに二カ所裁断している。

デニムを裁断し解体した後はダメージ部分に裏から別の生地を当てリペア作業に入る。今回のコレクションでは本来生地と同系色で叩く糸をあえてカラーの物を使用しているため、ユニークなデザインに仕上がっている。

リペアが完了し生地の準備が完了した後はブランドのシグネチャーにもなりつつ有る刺繍である。ここで忘れてはいけないのは刺繍やパッチは普通のプリントとは違い、一度解体しないと打ち込めない点にある。

通常のスクリーンプリントやインクジェットであれば上からインクをのせるだけで済むので時間も手間も比較的少ないが、刺繍に至っては文字やロゴを全て糸を縫い付ける事で表現するため、専用ミシンや高度な技術と知識が要求される。英語ではEmbroidaryと呼ばれるこの手法は数ある表現技法の中でも非常の多くのコストと時間を要するのである。

その後モデルによってポケットディティールを取り付け、縫製し直してデニムは完成、本来はここで終わる。だが、彼等はここではまだ終わらない。

全てのプロセスを終えた後、彼等はさらにデニムをペイントした上、先程の刺繍にダメージを入れるのである。

これだけの全工程にかかる時間とコストを想像していただければお解り頂けると思うが、正に変態としか思えないカスタムの鬼である。これが自分用のDIYならいざ知らず、量産体制で展開しているのだから空いた口が塞がらないのだ。

Words by J.D.

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